外国に住む兄弟との遺産分割協議が必要になった相続登記の事例(宇治市在住50代女性Oさん)
相談前
50代女性Oさん(相談者)の父親(被相続人)は平成26年に80代でお亡くなりになりました。Oさんの実家の土地は父親の名義で土地上の建物は父親とOさんの夫の共有名義でした。この建物の住宅ローンは夫名義でOさん夫婦が支払っていました。よって,Oさんの父親はいずれ自分が亡くなった場合はOさんに土地と建物の共有持分を相続させる意向を持っていました。しかし,Oさんの父親はOさんとOさんの弟との仲が悪いなどの特段の事情も無かったために,遺言書を残すなどの対策を行うこと無く,お亡くなりになりました。Oさんは自分に不動産の名義変更(相続登記)を行おうと思いましたが,弟の協力が無ければ名義変更はできません。弟は姉(Oさん)が父親名義の不動産を相続することには同意していましたが,相続が起きた時には外国で仕事をしており,手続きも面倒臭そうだということで,なかなか話が進みませんでした。困ったOさんは当事務所に相談にお越しになりました。
相続関係
被相続人の妻,Oさん(長女)とOさんの弟(長男)の3人が相続人となりました。
みらい司法書士事務所の解決方法
Oさんの弟は外国での仕事が多忙なことを理由に手続きへの協力を渋っていましたので,面倒な手続き(戸籍等書類の収集・遺産分割協議書の作成・登記申請書の作成など)を全て当事務所で引き受けるということで,手続きへの協力を取り付けました。
日本に住所が無く,外国に居住している方には日本での印鑑証明書の発行を受けることができず,現地の大使館(領事館)に遺産分割協議書にする署名についての証明書を取得して頂かなければなりません。
この点についてはどうしても弟さんご本人に協力してもらわなければならないので,丁寧な説明を差し上げ上で納得して頂き,ご協力して頂けることになりました。
解決後
弟さんの協力を取り付け,遺産分割協議書への各相続人の署名・押印を済ませる事ができ,相続登記の申請を法務局に対して行うことができました。これによりOさんの父親名義の土地と建物の共有持分を無事にOさんに変更することができました。
司法書士からの一言
今回の事例のように,遺産分割の基本的な合意はできているものの,手続きが面倒臭いなどの理由で土地や建物の名義変更(相続登記)が放置されている事例は多数存在します。今回の事例でもOさん一家がそこで暮らすことだけを考えれば固定資産税さえ払い続ければ誰からも文句を言われることはありません。ただし,いずれOさん夫婦が不動産の売却を検討する時,あるいはOさんの子供が相続する時,そんな時に相続登記が完了していないと,父親が亡くなった直後であれば簡単に手続きができたはずなのに,時間が経過したために話し合う相続人の数が増えてしまい話し合いがまとまらなくなってしまった・・そんなケースも有り得るのです。
相続登記は,相続税の申告のようにお亡くなりになってから原則10カ月以内などという制限はありません。だからこそ放置されて,後から大問題になってしまうケースが後を絶たないのです。
相続が発生したら,まず専門家である司法書士に相談しましょう。みらい司法書士事務所の初回相談は無料となっていますので,是非ご利用ください。
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