100年前の抵当権と60年前の売買予約権仮登記がある相続登記②(宇治市在住の60代女性

みらい司法書士事務所の解決方法③(所有権移転登記請求権仮登記の抹消)

前回の続きです。

100年前の抵当権は,法務局への供託を経て何とか終わらせました。次は60年前の売買予約権仮登記の抹消です。

仮登記の抹消登記も通常は所有者と仮登記名義人の共同申請ですが,60年前の仮登記名義人と簡単に連絡が取れるわけもありません。まずはその調査から始めます。

 

仮登記名義人の調査①

まずは登記簿に記載されていた仮登記名義人の住所に登記名義人の住民票があるか否かを調査します。利害関係人として戸籍や住民票を調べることができますので,登記簿上の住所地の役所に照会をします。

予想はしていましたが,登記簿上の住所地に仮登記名義人の住民票はありませんでした。過去の記録も既に消除されていました。そこで,不在住の証明書を取得します。この不在住の証明書は後の手続きで使用することになります。

 

仮登記名義人の調査②

次に,登記簿上の仮登記名義人の住所地に直接行きます。幸い,その住所地は当事務所からそれほど離れていませんでいたのですぐに行くことができました。その住所地には住民が居ましたので,事情を話して聞き取りに応じて貰いましたが,現在の住人も父母からの相続で取得したもので,それ以前のことは全くわからないとのこと。当然仮登記名義の氏名にも心当たりはないとのことでした。

現地調査を経て,これ以上仮登記名義人の所在を調べることは難しい状態であることがわかりました。

 

仮登記抹消登記手続請求の訴訟

所有者と仮登記名義人の共同申請ですることが原則ですが,仮登記名義人の所在がわかりませんからこの方法ではできません。そこで,仮登記抹消登記手続請求の訴訟を提起することにしました。

ところで,訴訟提起する場合には裁判所から訴状を相手方に到達する必要があります。今回は相手方である仮登記名義人の所在がわかりませんので,通常の方法では送達することができません。こんな場合には,公示送達の手続きを執る必要があります。ここで,先ほどした仮登記名義人の調査が役に立ちます。

訴訟提起と同時に公示送達の申立をします。その際に,先ほどの調査で取得した不在住証明書と調査の報告書を証拠として提出するのです。

事前調査の甲斐あって,無事に勝訴判決を得ることができました。

 

所有権移転登記請求権仮登記の抹消登記

取得した判決を登記原因証明情報として抹消登記を申請し,無事に抹消することができました。

 

司法書士からの一言

相続登記と2つの休眠担保権の抹消を終えた相続不動産は,その後程なく買い手が見つかって無事に売却することができました。

休眠担保権の抹消手続のうち,供託を利用した抵当権の抹消は実は結構あります。今回はものすごく古いので,抵当権者の登記簿上の住所と現在の住所の沿革をつけるのがなかなかの手間でしたね。京都市・京都府の担当部課を探して電話して,国会図書館で資料を探して…,とまあ大変でしたね。ただ,国会図書館の資料で古い官報の太政官令を読んでいたら,西南戦争に関わる布告があったりして,いま生きている私たちが過去の歴史から連なっているという実感があってちょっと感動しました。大変な業務でしたが面白い経験でした。

今回のOさんは姉妹全員がお元気で解決したいとの意思も一致していましたから,時間がかかっても解決にたどりつけましたが,これが更に代を重ねて相続人の数が増えたり認知症になってしまった方が居たりすると大変です。相続は出来るときに解決することが大切ですね。

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