亡くなった母が再婚で前夫との間に子が居たことが分かった遺産承継業務(任意相続財産管理業務)の事例(京都市伏見区在住40代男性Uさん)

相続関係説明図29.6.9

相談前

京都市伏見区在住のUさんは80代の父母の一人っ子と思って育ってきました。ところが,母が亡くなり,母名義の実家の相続手続をしようとすると,実は母が再婚であり,母の前夫との間に年の離れた兄がいることがわかりました。父母の結婚後40年以上母の前夫と兄との音信は途絶えており,兄の所在は分かりません。

困ったUさんは当事務所に相談に訪れました。

相続関係

調査の結果,Uさんの父とUさんの母方の半血の兄,Uさん自身の3人が相続人であることが分かりました。法定相続分はUさんとUさんの兄が4分の1,Uさんの父が2分の1になります。

 

みらい司法書士事務所の解決方法

亡くなったUさんの母の相続財産について,司法書士法29条同法施行規則31条に基づく相続財産管理人として,遺産承継業務を行いました。戸籍謄本を取得して相続人であるUさんの兄を特定し,次に兄の住民票上の住所を特定しました。

幸い,Uさんの兄は住民票上の住所に居住しており,連絡を取ることができました。Uさんの兄は居ることも知らなかった弟からの連絡に驚いたのか,代理人の弁護士を立て遺産分割協議は代理人弁護士との間で行うことになりました。

弁護士に対して,Uさんの父が被相続人であるUさんの母名義の家に居住しているため,実家は父名義にしたいこと,Uさんの兄には実家の名義以外の財産と実家相当額の価額を含めた遺産全体の法定相続分である4分の1相当額を渡したい旨のUさんの希望をつたえたところ,特に紛争になることなく遺産分割協議はまとまりました。

解決後

Uさんの兄が代理人弁護士をたてた関係で少し時間がかかりましたが,問題なく実家をUさんの父名義にすることができました。Uさんの父は高齢でUさん夫婦の介助なしに生活ができず,慣れ親しんだ実家を離れることになるかも知れないと不安に思っていたのですが,無事に相続登記が済んで安心した様子でした。

 

司法書士からの一言

家事調停や家事審判となった場合には原則として法定相続分の割合での遺産分割となります。遺産の評価額で争いになる余地はありますが,Uさんの実家のようにごく普通の自宅不動産の場合,不動産鑑定の手間と時間,費用に見合うほど相続による取得額が増減することはないでしょう。

この事例では相手方のUさん兄は代理人弁護士を立てましたが,法定相続分相当額を支払うことを前提にしていたため,全く紛争にはなりませんでした。Uさんの兄は弁護士費用を支払った分だけ受取額が減ってしまいましたね。

Uさんの母名義の実家は,Uさんの母が離婚後Uさんの父と再婚してから取得したものです。Uさんはこの40年間音信の途絶えた兄に遺産の4分の1相当額を支払う必要があることに,感情的には納得しきれない部分もあるようでした。しかし,争っても時間と費用がかかるだけで無駄であること,紛争化した場合は老いた父を不安なままに過ごさせることになることを理解し,幸い,亡き母の遺産には法定相続分相続額を支払うに足る預貯金があったことから,兄に対して法定相続分相当額を支払う遺産分割をすることに決めました。

 

遺産分割で紛争化するのは,

① 分割するのは望ましくない財産(自宅不動産や家業と密接にかかわる資産など)が遺産の多数を占めている場合

② 資産とともに負債があり,将来の負債の負担で合意できない場合

③ 被相続人との交流の濃淡や家業への貢献,介護負担の軽重により,相続人間に感情的な対立や不信がある場合

以上の3つが多いと感じます。

①と②については公平な解決が難しいです。①の場合はある意味“不公平な”分割をしなくてはいけない事例です。②の場合は多くの資産を相続した者が比例して多くの負債を引き受ければ良いのですが,負債については債権者との折衝が必要ですし,単純に比例して分配ができるとは限りません。一方,③については公正中立な第三者として法律専門職がかかわることで,紛争を未然に防いでスムーズに相続手続ができる可能性が高いです。財産目録を作成して誰にでも分かりやすく遺産総額を提示することで,感情を廃して冷静な遺産分割協議が可能になります。

 

Uさんの事例では,Uさんの兄にも代理人弁護士に対しても詳細な財産目録と疎明資料を全て開示し,「争いようがない」状況にした結果,スムーズに手続を終えることができました。

もっとも,スムーズに終えることができたのは,まず相続人であるUさんの兄と連絡が取れたからです。Uさんの兄と連絡が取れなければ,非常に手間がかり,解決まで数年を要する手続になる可能性もありました。亡くなったUさんのお母様の内心を推し量ることはできませんが,遺言書を遺してくれていれば,と思わずにいられません。遺言書を遺していればUさんが困ることは無かったのです。

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