強制執行とは
何とか訴訟でがんばって念願の勝訴判決を得たとしても、相手方が判決どおりに支払いをしてくれなければ、何の意味もありません。
しかし、勝訴判決を取ったからといって、相手方に押しかけて財産を持ってくることは許されません。
このように相手方があくまで任意に支払わない場合は、国家機関によって強制的に判決内容を実現することになります。
つまり、強制執行手続きによって相手方の一般財産から未収金を回収します。
強制執行とは、相手方の財産を差し押さえて(本差押)、その財産を裁判所に競売手続きによって処分してもらい、その換価金から未収金の弁済を受ける手続きです。
ただし、強制執行は、相手方にめぼしい財産があり、かつ担保権もついておらず、他の債権者がたくさんはいないという場合でないかぎり、成果は期待できません。
強制執行の手続き
ここでは強制執行で最もよく利用される銀行預金の差し押さえを例にご紹介します。
1)債務名義の用意
判決書、調停調書や執行認諾文言付公正証書のことを、強制執行をする際には債務名義といいます。
この債務名義に基づいて強制執行手続を取り、相手方の財産を差し押さえるわけです。
強制執行の手続きでは、まず、判決その他の債務名義(和解調書、調停調書、仮執行宣言付支払督促、公正証書など)が必要です。
この債務名義に、それぞれの作成者に対してその債務名義にもとづいて強制執行してもよいという証明をもらいます。
2)強制執行の申し立て
次に、相手方の預金がある銀行の支店を特定して,管轄の裁判所に強制執行(債権差押命令)の申し立てを行います。
3)差し押さえ
裁判所による預金の差押がなされ、預金から支払いや配当がされます。
以上のような手続きで強制執行が行われますが、差し押さえることのできる財産は、動産(現金)、不動産、手形・小切手のほか、銀行預金、給料、売掛金などの金銭債権に至るまで幅広く、執行方法もそれぞれ異なっています。
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