死亡後3ヶ月を過ぎて請求が来た亡父の連帯保証債務の相続放棄(宇治市在住40代女性Fさん)

 

相続関係説明図27.12.4

相談前

40代の女性Fさん(相談者)の父親(被相続人)は平成25年に70代でお亡くなりになりました。Fさんは10年以上前に結婚して家を出ており,最近の父母の事情には詳しくありませんでした。ただ,父はこの5年以上認知症を患っていましたので特段大きな資産も債務も無いと考えていました。

父親の四十九日の法要も終わって落着きを取り戻した頃,Fさんは保証協会から「あなたは連帯保証人の地位を相続している」旨の手紙を受け取りました。父は商売をしていたFさんの兄の連帯保証人をしていたのです。慌てて母や兄に事情を聞いたところ,兄の商売はうまく行かずに銀行への返済ができなくなり,現在は保証協会に分割で支払いをしているということでした。

父親が死亡してから既に3か月以上が経過していましたが,3か月経過後の相続放棄の経験がある当事務所をインターネットを通じて知り,相談に訪れました。

相続関係

Fさんの母,兄,Fさんが相続人になります。

 みらい司法書士事務所の解決方法

Fさんの兄は元々の借入の主債務者であるため相続放棄をしても債務を免れることはできません。また,Fさんの母も兄の保証人でしたので,こちらも相続放棄をしても債務を免れることはできません。

そこで,Fさんのみが相続放棄の申立てをすることにしました。

 解決後

相続放棄申述書は家庭裁判所に受理されました。Fさんは父親の連帯保証債務を免れることができました。

 司法書士からの一言

相続放棄は原則,被相続人が死亡してから3ヶ月以内に行わなければなりません。但し,相続放棄をすることなく3ヶ月が経過してしまった場合でも事情によっては,相続放棄の申立を家庭裁判所に受理してもらえることがあります

今回のFさんの事例はこれで完全に解決したわけではありません。Fさんの兄が保証協会に対する弁済を終えなければ,Fさんの母が亡くなった時に同じことが起こります。

保証債務は主債務者が支払う限り目に見えないものなので,見落としがちです。保証人である被相続人が死亡してから数年経過後に主債務者が支払い不能になり,相続人に請求が来たという事例もあります。

みらい司法書士事務所の相続放棄一覧

みらい司法書士事務所の解決事例一覧

  • 登記や法律相談はみらい司法書士事務所へ

  • よくある法律相談はこちらから

    • 円満な相続を行うために専門家に相談したい
      相続・遺言
    • 法的手段で借金から開放されたい
      借金問題
    • 正当な権利を勝ち取り、新しい人生をスタートさせたい
      離婚・財産分与
  • ページ上部へ戻る