自己破産とは

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「自己破産」とは多額の借金により経済的に破綻してしまい、自分の資産では完全に弁済できなくなったときに、最低限の生活用品を除いて、全ての財産を換価して全債権者に公平に弁済する裁判上の手続を「破産」と呼びます。

破産の申立ては債権者でも可能であり、自己破産は債務者であるあなたが申立てる場合のことです。

自己破産の特徴

自己破産には何かと悪いイメージが先行しており、正しい認識を持たずに「夜逃げ」をしたりするケースがありますが、これでは解決になりません。

正しい認識をすれば、自己破産も選択肢の一つです。

特に皆さんが気にされることでいくつか自己破産の特徴を挙げると、

破産者名簿と官報に記載されます

破産者名簿は第三者が見れません。

一般人が官報を見ることもほとんどありませんので、周り近所や会社に知れることはまずありません。

住民票や戸籍謄本には破産したことは載りません。

選挙権は失いません

公民権までは喪失しません。

ブラックリストに登録されます

大体5~10年お金を借りたり、カードの発行を受けることができません。

マイホームは手放すことになる

破産管財人によって任意売却か競売にかけられます。

新しい買主が現れるまでは住み続けることができますが、買い主が決まれば出て行く事となります。

生活用品は取られない

最低限の生活は保障されます。

 

といったことが挙げられます。

 

免責不許可事由

「免責不許可事由」とは基本的に自己破産は借金を免除してもらう手続だと申し上げましたが、どんな場合でも借金が免除されるというわけではありません。

法律では借金を免除できない事由が定められていて、それを免責不許可事由といいます。

免責不許可事由

「免責」を許可されない理由を列挙します。

 

1.財産を隠したり、壊したり、債権者に不利な条件で処分したとき

2.すでに返済不能の状態なのに、一部の債権者にだけ返済したとき

3.借金の原因が、浪費やギャンブルであるとき

4.すでに返済不能の状態なのに、お金を借りたり、クレジットカードで買い物をしたとき、またその買い物の商品を転売したとき

5.業務や財産についての帳簿にウソの記載をしたり、帳簿を隠したり、捨てたりしたとき

6.裁判所にウソの説明をしたとき

7.破産管財人などの職務を妨害したとき

8.過去7年以内に自己破産をして借金を免除されていたとき

ただし、免責不許可事由にあてはまると、絶対に借金が免除されないということではありません。

裁判官は、あなたのお金を借入れた事情、家計の状況、生活状況など様々な事情を踏まえたうえで、借金を免除するかどうかを判断します。

 

自己破産のメリット

○全ての借金の返済が免除になることです。

○自己破産後に得た収入や財産については、弁済の義務はなく、その使い道は自由

です。

○戸籍、住民票へ記載されることや選挙権がなくなることはありません。

○自己破産手続を理由に解雇することは許されておりませんので、会社を退職しなけ

ればならないということはありません。

○日常生活に必要な家財道具、必需品を手放す必要はありません。

○自己破産したことは、通常は近所の人や勤め先には知られませんので、子供の

就職や結婚の障害になることはありません。

 

自己破産のデメリットとは?

○マイホームや資産価値の高い車などは手放すことになります。

○免責を受けるまでの間は一定の職業に就くけなくなり、また資格制限があります。

○信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)登録されます。但し、金融機関の

キャッシュカードは作れますし、金融機関からの振込み、引き落とし等は通常通り

行うことができます。

○官報に掲載されます。

官報に破産の手続きをした日時と住所・氏名、手続きをした裁判所等が記載されます。

しかし、一般の人が官報を見る機会はあまりないといえるでしょう。

 

自己破産の流れ

「自己破産の流れ」を以下にまとめました。

1.まずはお問い合わせ下さい

債務整理の手段の中から、最適な手段を選択します。

2.自己破産の申立

あなたの住所地を管轄する地方裁判所に申立書を提出します。

3.破産者審尋(債務者審尋)

裁判官から様々な質問をされます。借金の経緯、生活状況、反省の有無などについて質問される事となります。

4.破産手続開始決定、同時破産手続廃止決定

めぼしい財産がなければ同時廃止が決定されます。

財産があった場合、破産管財人が選定され、債権者に対してその財産をどう分配するか確定し、配当を行っていきます。

5.免責の審尋・決定

免責の不許可事由に該当する点がないか、質問があります。

この後1、2ヵ月で貸し金業者からの異議申立が無ければ、免責が決定します。

免責審尋は行われないこともあります。

6.官報に公告

官報はなかなか一般人で目を通されていらっしゃる方は少ないですが、完全に秘密にできるわけではありません。

7.免責の確定

免責が確定し、あなたの借金がゼロになります。

 

自己破産の相談は司法書士と弁護士どちらにすべき?

「自己破産相談は司法書士と弁護士どちらにしたほうがいいの?」というご相談を良くいただきます。また、

意外にも、「破産は弁護士だけしかできないのでは?」という誤解が多いのです。

実際には、弁護士だけでなく、司法書士も自己破産申立を業務として取り扱うことができます。

しかし、司法書士に依頼した場合と弁護士に依頼をした場合では、法律上の取り扱いが異なります。

弁護士は、債務者(破産者)の代理人として自己破産申立を行います。これに対し、司法書士ができるのは、自己破産申立書の作成および裁判所への提出です。そのため、法律上の位置づけとしては、債務者(破産者)本人が申立人であり、司法書士は書類作成者ということになります。

しかし、債務者本人が自己破産申立をする、いわゆる本人申立であっても、司法書士に依頼している場合には、とくに不都合がないことがほとんどです。

司法書士が関与しての自己破産申立の場合、司法書士事務所を書類の送付先とすることよって、裁判所から書類は全て司法書事務所に届きますし、裁判所書記官などからの電話による問い合わせも全て司法書士あてに行くことになります。

したがって、裁判所とのやりとりのほとんど全てを司法書士が行えるのですが、弁護士が代理人として自己破産申立するときとの大きな違いがあります。それは、裁判官との面接(破産者審尋期日)の際に司法書士の同席が許されない場合があることが挙げられます。

 

破産者審尋期日は、自己破産申立で申立人(破産者)が裁判官と顔を合わせる唯一の機会です(同時破産廃止の場合)。ただし、この破産者審尋は多くの場合ほんの数分から数十分で済み、とくに難しいことを質問されるわけではありません。

しかも、司法書士がしっかりと書類を作成している場合には、事前に書類を見れば必要なことは分かるので、面接の場でいろいろ聞く必要はないでしょう。

上記のように、数点の違いはありますが、特に、司法書士だからといって不安だということは少ないのではないでしょうか。もちろん事前の相談の中で、皆様の不安な気持ちを解消してもらう為に、しっかりと説明させていただきますのでご安心下さい!

なお、上記は主な収入が給料や年金のみである大多数の個人に当てはまりますが、会社経営者や多くの資産を持っている方などについては、弁護士を代理人として自己破産申立をした方が良いと思われる場合もあります。

そのような際には、自己破産に強い弁護士を紹介させていただきますので、お困りの際にはまず当事務所にご相談下さい。

 

自己破産の相談は当事務所までご相談下さい。


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